
企業概要: 国内投資運用会社A社(売上16億円、従業員294名)
プロジェクト期間: 6ヶ月
プロジェクト予算: 1億1,000万円
国内投資運用会社A社は、急速に拡大する投資運用事業において、既存システムの限界に直面していました。特に、ファンドラップ取引という投資一任契約に基づく資産運用サービスの需要増加に対応するため、新たな取引システムの導入が急務となっていました。
ファンドラップ取引システムは、顧客の投資方針に応じた最適なポートフォリオ構築と運用を自動化するシステムです。このシステムには、取引画面の開発、証券バックシステムとの連携、外部サービスとの接続機能開発、そして業務フロー全体の再構築が必要でした。
しかし、プロジェクト開始時点で同社が抱えていた課題は深刻でした。要件定義の粒度が粗く、具体的な開発作業に着手できない状況でありながら、市場競争の激化により短納期での システム稼働が求められていました。また、導入予定のパッケージシステムについても品質面での懸念があり、仕様が確定していない状態が続いていました。
A社がクリエイティブテックスタジオ(CTS)を選定した理由は、同社の専門性と実績にありました。CTSは、プロジェクトマネジメント(PM)とプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)の専門サービスを提供しており、特に金融業界でのシステム導入実績を豊富に持っていました。
CTSの経営陣は、全員がシンプレクス株式会社出身で金融系システム開発の現場経験を持ち、特に代表の人見氏は大手金融機関のITコンサルティングも兼任していた実績があります。また、立石氏はボストンコンサルティンググループ(BCG)出身で、経営とITの両面からプロジェクトを支援できる体制が整っていました。
さらに、CTSは「不幸なプロジェクトを減らす」という明確なミッションを掲げ、プロジェクトの混乱や属人化リスクの軽減に特化したサービスを展開していることも選定の決め手となりました。
プロジェクト開始後、CTSはまず要件定義粒度の問題に着手しました。従来の曖昧な要件定義では開発着手が困難であったため、ビジネス要件と技術要件を明確に分離し、それぞれの詳細度を統一する作業から開始しました。
次に、プロジェクト計画の全面的な再策定を実施しました。短納期という制約の中で現実的に達成可能なマイルストーンを設定し直し、各ステークホルダーの役割分担を明確化しました。これにより、A社の社内チーム、パッケージベンダー、そしてCTSの三者間で透明性の高い推進体制を確立することができました。
パッケージシステムの品質懸念と仕様未確定という課題に対しては、体系的なアプローチを採用しました。まず、機能一覧定義書を作成し、すべての機能をMUST機能(必須機能)とWANT機能(希望機能)に分類しました。
この優先度付けにより、限られた期間内で実現可能な開発スコープを明確に設定することができました。MUST機能に集中することで、システムの核となる取引処理機能と証券バックシステムとの連携機能を確実に実装し、WANT機能は次期フェーズでの対応として整理しました。
既存パッケージシステムの品質リスクに対しては、パッケージ部分とカスタマイズ部分の品質評価を分離して実施する体制を構築しました。パッケージ部分については、ベンダーが提供する品質保証情報を精査し、カスタマイズ部分については独自の品質基準を設けました。
また、SLO(Service Level Objective、サービスレベル目標)に基づく多角的なテスト計画を立案しました。SLOとは、システムが達成すべきサービスレベルを数値で定義したもので、可用性、応答時間、処理能力などの指標を具体的に設定します。これにより、単なる機能テストだけでなく、実際の業務で求められる性能水準を満たすかどうかを総合的に検証できる体制を整えました。
プロジェクト成果: ビジネスと技術の両面からの要件整理により、短納期での品質確保を実現。透明性の高いプロジェクト運営で、ステークホルダー間の円滑な連携を実現しました。
本プロジェクトで採用されたのは、CTSのPMサービスです。このサービスは、クライアントのプロジェクト全体をリードし、計画策定から実行、進捗管理、リスク対策までを一貫して担当するものです。
CTSのPMサービスが提供する主な価値は以下の通りです。まず、経験豊富なプロジェクトマネージャーがプロジェクトの混乱や属人化リスクを軽減し、計画通りの進捗と成果を実現します。また、プロジェクトマネジメント手法の標準化により、予算・納期遵守と品質向上を同時に支援することが可能です。
特に金融業界においては、システムの信頼性と安全性が極めて重要であり、CTSの金融系システム開発の豊富な経験が大きな価値を発揮しました。シンプレクス出身のメンバーが培った金融業界特有の業務知識と技術的専門性により、A社の複雑な要件に対して的確な解決策を提供することができました。
また、CTSのPMサービスは、大規模なITシステムや複雑な業務改革プロジェクトを展開する企業、自社内に十分なPMリソースがない企業、または外部の専門知識でプロジェクトを強化したい企業を主な対象としています。本プロジェクトにおいても、A社の限られた内部リソースを補完し、専門的なプロジェクトマネジメント手法を導入することで、短期間での高品質なシステム導入を実現しました。
CTSのPMサービスは月額150万円からの料金体系となっており、プロジェクトの規模と複雑さに応じて柔軟な体制を構築することが可能です。本プロジェクトでは、PM1名体制でプロジェクト全体を統括し、コストパフォーマンスの高いプロジェクト運営を実現しました。
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