医療関連企業の救急システム電子化──6か月で業務効率化と判断標準化を実現

BEFORE

  • 紙ベースの記録管理により転記・記録ミスが多発し、救急活動の信頼性に影響
  • 地域ごとに異なるフォーマットで情報共有が困難、統一した対応が取れない状況
  • 救急隊員の判断が個人の経験や知識に依存し、対応品質にばらつきが発生

AFTER

  • OCR機能による手書きデータの自動デジタル化で転記ミスを大幅削減
  • 統一されたデジタルフォーマットで全地域での情報共有と連携を実現
  • 選択式回答による自動医療アドバイス機能でデータに基づく標準化された判断支援を提供

顧客プロフィールとプロジェクト背景

今回のクライアントは、売上400万円、従業員5名の医療関連企業です。救急活動支援システムの開発・運営を手がける同社は、従来の紙ベースによる記録管理システムの限界に直面していました。

具体的には、救急現場での記録作業が手書きに依存しており、後の転記作業で頻繁にミスが発生していました。また、地方自治体ごとに異なるフォーマットが使用されているため、広域での情報共有や統一した対応が困難な状況が続いていました。さらに、救急隊員の判断が個人の経験や知識に大きく依存しており、対応品質のばらつきが課題となっていました。

同社が保有する既存の症状検索システムも、長年の運用によってデータベース構造が複雑化し、保守担当者の不在により有効活用できない状態でした。このような背景から、救急活動の効率化と高度化を目指したトリアージシステムの全面的な刷新が急務となっていました。

CTSの選定理由

同社がCreative Tech Studio(CTS)を選定した主な理由は、フルスタック開発による一貫した開発体制にありました。UI/UXデザインからバックエンドシステムまでを一つのチームで統合的に開発できることで、プロジェクトの一貫性と品質を保証できる点が高く評価されました。

特に、CTSの経営陣がシンプレクス株式会社での金融システム開発やボストンコンサルティンググループでの経営コンサルティング経験を持つことから、複雑な業務プロセスの理解と技術的な実装力を両立できる点が決め手となりました。また、既存システムの分析・活用に関する豊富な経験も、古い症状検索システムの再生に不可欠な要素として評価されました。

プロジェクト実行プロセス

要件定義・設計フェーズ(プロジェクト開始〜2ヶ月目)

プロジェクト開始当初は、現場のニーズを詳細に把握することから始まりました。救急隊員へのヒアリングを通じて、実際の救急活動における課題と要望を収集し、システム要件に反映させました。同時に、Figmaを活用したUI/UXデザインを行い、マルチデバイス対応のレスポンシブデザインを設計しました。Figmaは、インターフェースデザインツールの一つで、チーム間でのデザイン共有と修正が容易に行える特長があります。

既存の症状検索システムについては、データベース構造の詳細分析を実施し、混乱した仕様を整理・標準化しました。長年の運用で複雑化したデータ構造を解析し、新システムで有効活用できる形に再構築する設計を行いました。

開発・実装フェーズ(3ヶ月目〜5ヶ月目)

開発フェーズでは、Web SPA(Single Page Application)のPWA(Progressive Web App)化を実装しました。SPAとは、ウェブページの遷移を行わずに動的にコンテンツを更新する技術で、PWA化により、オフライン環境でも動作する救急活動支援アプリケーションを実現しました。

特に注力したのは、OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)機能の実装です。これにより、手書きの記録を自動的にデジタルデータに変換し、転記作業を大幅に削減することができました。また、選択式回答による自動医療アドバイス機能を実装し、救急隊員の判断を標準化されたデータに基づいて支援するシステムを構築しました。

テスト・導入フェーズ(6ヶ月目)

最終月には、実際の救急現場を想定したテストを実施し、システムの動作確認と使い勝手の検証を行いました。救急隊員による実地テストを通じて、現場での使いやすさを確認し、必要に応じてインターフェースの微調整を実施しました。記録の一元管理システムも本格稼働し、データに基づく迅速な意思決定支援が可能になりました。

今回採用されたCTSのサービス

本プロジェクトでは、CTSの「受託開発サービス」が採用されました。このサービスは、クライアントの要件定義からシステム設計、開発、テスト、導入、運用までを一括して受託するもので、特に以下の価値を提供しています。

まず、コンサルティングから開発、運用まで一体型のサービスにより、プロジェクトの一貫性と品質を保証します。従来の分業体制では発生しがちな要件の齟齬や品質のばらつきを防ぎ、統合的なソリューションを提供することができました。

また、プロジェクトマネジメントと技術力の両面からサポートすることで、スムーズなシステム導入を実現しました。金融系システム開発で培った高度な技術力と、経営コンサルティングで身につけた業務プロセス改善のノウハウを組み合わせることで、単なるシステム開発を超えた価値を提供することができました。

CTSの受託開発サービスは、自社での開発リソースが不足している企業や、外部の専門知識を求める企業に最適で、金融、製造、小売など、システム導入が事業の競争力に直結する業界での導入実績を多数持っています。今回のような医療関連システムにおいても、現場のニーズを深く理解し、実用性の高いシステムを構築することで、業務効率化と品質向上の両立を実現しました。

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