
今回のプロジェクトを実施した企業は、売上994億円、従業員数2,130名を擁する大手フィンテック企業です。同社は金融サービスのデジタル化を推進する中で、開発チームのアジャイル転換が急務となっていました。
特に課題となっていたのは、17名という大規模なエンジニアチームの効率的な運営でした。従来のウォーターフォール型開発から、市場変化に迅速に対応できるアジャイル開発への転換を目指していましたが、社内にアジャイル開発の経験者が少なく、具体的な導入手法に関する知見が不足している状況でした。
さらに、同社では英語公用語化を進めており、多様な国籍のエンジニアが在籍する中で、効果的なコミュニケーション体制の構築も重要な課題となっていました。グローバル展開を見据えた持続可能な開発体制の確立が求められていたのです。
同社がCreative Tech Studio(CTS)を選定した理由は、大規模チームのアジャイル転換に関する豊富な実績と、体系的な導入支援アプローチにありました。CTSは金融系システム開発の経験が豊富で、特に大規模プロジェクトのマネジメントに強みを持っています。
また、CTSが提供するPMOサービス(プロジェクトマネジメントオフィス支援)は、プロジェクト管理の透明性を高め、PMとの連携により早期に問題点を把握・解決することを可能にします。これは、17名という大規模チームを効率的に運営するために必要不可欠な要素でした。
さらに、LeSSフレームワーク(Large-Scale Scrum)という大規模アジャイル開発手法に関する専門知識を持っていることも、選定の大きな要因となりました。単なる理論の提供ではなく、実践的なコーチングを通じて組織に根付かせるアプローチが評価されたのです。
プロジェクト開始当初、CTSのアジャイルコーチ1名が現場に常駐し、まずはアジャイル開発の基礎知識の習得から着手しました。スクラムトレーニングの実施により、スプリント(開発の反復サイクル)やデイリースタンドアップ(朝会)、レトロスペクティブ(振り返り会議)といった基本的な開発プロセスを確立しました。
特に重要だったのは、理論学習と実践を並行して進めることでした。実際のプロジェクトにスクラム手法を適用しながら、チームメンバーが段階的にアジャイル開発の考え方を身につけていく手法を採用しました。
17名のエンジニアを効果的に組織化するため、LeSSフレームワークを導入しました。LeSSとは、複数のスクラムチームが連携して一つの製品を開発するための手法です。具体的には、3つのスクラムチームを編成し、各チーム5~6名の体制を構築しました。
重要なポイントは、単一のプロダクトバックログ(開発すべき機能の優先順位付きリスト)による一元管理を実現したことです。これにより、各チームが異なる方向を向くことなく、統一された目標に向かって開発を進めることが可能になりました。
英語公用語化に対応するため、言語スキルを考慮した戦略的なチーム編成を実施しました。各チームにバイリンガルメンバーを配置し、英語でのコミュニケーションが困難なメンバーと、英語ネイティブメンバーの橋渡し役を担わせました。
また、アジャイル開発で重要な各種会議体(スプリントレビューやレトロスペクティブなど)を英語で実施するためのファシリテーション手法も確立しました。これにより、言語の壁を越えた効果的な情報共有が実現されました。
今回のプロジェクトで効果を発揮したCTSのPMOサービスは、プロジェクトマネージャー(PM)の業務負荷を軽減し、プロジェクト管理全体の見える化と効率化を実現するサービスです。
具体的には、プロジェクトの透明性を高め、PMとの連携により早期に問題点を把握・解決することが可能になります。標準化された管理プロセスにより、業務効率とプロジェクト成功率の向上に寄与します。
CTSのPMOサービスは、大規模なITシステムや複雑な業務改革プロジェクトを展開する企業、複数プロジェクトを同時に運営している大企業に特に適しています。経験豊富な専門家がプロジェクトの混乱や属人化リスクを軽減し、計画通りの進捗と成果を実現します。
今回のような17名規模のチーム運営においても、個々のメンバーの進捗状況や課題を可視化し、チーム全体のパフォーマンス向上に大きく貢献しました。アジャイル開発という新しい手法の導入と並行して、プロジェクト管理の標準化を進めることで、持続可能な開発体制の構築が実現されたのです。
このように、CTSのPMOサービスは、単なる管理業務の支援にとどまらず、組織の成長と変革を支える重要な役割を果たしています。3ヶ月という短期間で大規模アジャイル開発の導入を成功させることができたのは、このような包括的な支援体制があったからこそと言えるでしょう。
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